2011/07/17

ヨーロッパ脊髄損傷協会【ESCIF】から

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脊髄損傷再生研究に関する声明

20116

世界には約250万人の脊髄損傷(SCI)を負った人がいます。ヨーロッパでは最低でも33万人1が脊髄損傷に悩まされており、毎年11千人づつ症例が増えています。甚大の社会的および人的被害に加え2、欧州評議会による勧告(REC 156020023ではその甚大な経済的コストが強調され、「欧州評議会加盟国はこの分野に関する研究に対し支援および資金提供を行うために真剣に一致協力すべきである。」と結ばれている。

ヨーロッパ脊髄損傷協会(European Spinal Cord Injury Federation 【ESCIF】)は2006年に創設されて以来、SCI研究の支援・促進に尽力してきました。ESCIFは積極的に加盟者間における情報収集プロジェクトに関わり、ヨーロッパの研究活動におけるSCIの専門家および研究者と協調してきました。ESCIFの規定はSCIとともに生きる人の生活の質を向上させる研究への連盟による支援を強調していますが、機能的回復に関する研究には言及していません。2006年の段階のヨーロッパでは、麻痺の「治癒」の可能性はかなり望み薄と言える。

しかし、その後、神経科学は麻痺の治癒へ向けて大きな前進を見せ、今ではある程度の機能的回復も現実的な目標となっている。現在、世界中で多くの将来性のある研究で臨床試験が行われており、さらに多くの研究において臨床試験の準備が始まっています。科学的な躍進とそれを人体へ上手く適用させるためには、充実した支援、資金およびインフラが必要となります。

我々ESCIFは、ヨーロッパのSCIとともに生きる多くの人々を代表し、すでに損傷を受けた多くに人々および将来損傷を受けてしまう人々の麻痺回復を助けるため、脊髄損傷の再生研究を強く支援します。

そのため、我々は欧州評議会加盟国、EUおよびEU加盟国に対し、脊髄損傷の再生研究に支援及び投資するために以下の施策を取ることを求めます。


  • 脊髄損傷の再生研究における基礎研究、応用研究および臨床研究への資金援助の増加
  • 十分な資金援助、有用なインフラおよび協調ネットワークを通じた、将来性のある研究の実験室から臨床への迅速な応用の実現
  • 患者の安全および倫理を損ねない、将来性のある研究の有効かつ迅速な応用を可能にする適切な規制および法律の採択
  • SCIの治療を国家のおよび国家を超えた重要事項として位置付ける脊髄損傷治療計画の立案および実行

最後に、脊髄損傷の分野における将来性のある研究は多発性硬化症、筋委縮性側索硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病などのほかの神経関連疾患の研究にも貢献するということに留意すべきである。

EUROPEAN SPINAL CORD INJURY FEDERATION執行部
www.escif.org
連絡先:president@escif.org

1出典:Recommendation 1560 (2002) 1 /Council of Europe Towards concerted efforts for treating and curing spinal cord
injury 
2脊髄損傷の結果としては、四肢の麻痺、感覚消失、腸・膀胱・性機能の制御の消失、治療不能の神経障害痛、痙性、感染のリスク、呼吸不能(高度な頸部損傷の場合)などが挙げられます。
3 Recommendation 1560 (2002) 1 /Council of Europe op.cit.
4SCIによって発生したコスト:「アメリカにおける脊髄損傷の通算コストは一年あたり9.73ドルと推定されている。」出典:Recommendation 1560 (2002)1 / Council of Europe op.cit.

Translator: Ichinomiya Wataru

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