バスケットボールが癒してくれる

From 07 November 2011 StemCells&AtomBombs:Nothing a good game of basketball can't cure



それはまた起こるべくして起こりました。なぜもう二度と起こらないだろうと思っていたのか私は知る由もありません。

このブログの読者は既にご存知かもしれませんが、私は今脊髄に出来た腫瘍を取り除く手術を受け病院にいます。数日安静をした後リハビリテーションを受けています。そして現在セラピストにもかかっています。

挨拶の後、私がセラピストと交わした短い会話はこんな感じでした。
セラピスト: バスケットボールをどう思いますか?
私:          それってTV観戦しながらお酒を飲むという事ですか?
セラピスト: (返事なし)

まあ、私の滑舌をセラピストは許してくれて幸いでしたが、彼に私達の麻痺治癒に対するチャレンジについてどう上手く説明するかが一苦労です。

この続きをお話する前に、いくつか明確にすることがあります。
まず第一に、私はバスケットボールに反対しているわけではありません。第二にスポーツが一部の麻痺障害者に社会復帰と自尊心へ有効的な役割がある事は理解しています。そして最後に人々の健康的なライフスタイルやエクササイズに反対をしているわけでもありません。私は単に車椅子がスポーツを通して、麻痺した影響で傷ついた人生を癒してくれると言う概念そのものに反対しているのです。もしマークスが麻痺患者だったなら、車椅子バスケットボールを「麻痺患者の鎮静剤」とでも呼んでいたことでしょう。

私は別に脊髄負傷治癒を理解してくれないリハビリセラピストを責めているのではありません。世界中の人々との交流の中で、きっとこのバスケットボールの小話は「国際リハビリセラピストマニュアル」に含まれていることでしょう。彼らの考えを変えるのは、私達次第なのです。そうすることで彼らがバスケットボールを話題にする際、「治癒」と同じ呼吸で仄めかし、私達がどのように私達の心と体を鍛えるべきかを話すのです。そうすることで本当に治癒が現実となるとき、私達は準備万端であるようにと。

最後に改めて先日6月に開かれたISCoS(国際脊髄ソサエティ)用に用意されたリーフレットをご紹介したいと思います。PDFファイルも用意しているので、印刷も可能ですからあなたのリハビリセラピスト、医者や介護士などへ配布できます。

1枚のリーフレットが治癒前進のために何が出来るでしょうか?

スティーブ・ビコと、「黒人解放」運動を描いた映画Cry Freedom(邦題:遠い夜明け)を改めて観て、私たちに足りないのは「‘治癒’解放」だという事に気づきました。私たちや医療関係者が脊髄損傷治癒といったCNS(中枢神経システム)の再生が可能だと科学を信じ始めないと、私たちは麻痺患者の唯一の治癒が他愛ないバスケットボールの試合だけになってしまうでしょう。

ですので、このリーフレットを配り、あなたを担当する医療関係者と軽い話をしてみてください。それと私のようにあなたにもユーモアがあるとしても言葉にはくれぐれもご注意ください。

2ページあるこのリーフレットは、脊髄損傷を持つ人々からのメッセージで構成されており、(ダウンロード)そして世界中で行われている臨床試験のリストも含まれています(ダウンロード

科学が身体麻痺治癒の崖っぷちに立たされている今、我々は、国際脊椎協会ISCoS)と米国脊椎損傷協会(ASIA)のメンバーの方々へ、期待高まる科学促進への再検証、再編成、取組み強化をお願いしたい。

これ以上の望みはないという時に、忘れてはならないのは、グローバルレベルでの基本的、解読的、臨床上科学的なプログラムの状況を平行に保つ事が私達関係者の任務だと思います。

支持者として、私達は臨床医学者の皆さんがこの麻痺治癒への関係連鎖の重要な役割を担っていると認識しており、皆様一人一人にお願いしたい事は、是非とも患者へ、脊椎損傷研究の進捗について納得の行く現状を教育していただきたい。これは事実であり、決して偽りの希望を広めているのではありません。

科学の現状を解釈すると、我々は一丸となって将来有望な科学治癒を研究所から病床まで繋ぐのです。
コンサルタント、神経科医や脳外科医がこのような宣告をする必要がなくなります。
“貴方は一生、歩けません

さあ皆さん、私たちと一緒にどのような科学が現実的に人類や次の世代の人々に役立つのか、患者に再教育しましょう。
私たちは、治癒の更なる促進へ向けて力を合わせ、共に協力してくれる貴方方をサポートします。貴方方が私達を思ってくれるのですから、脊椎損傷治癒に向けて頑張りましょう。

今すぐ、私達と一緒なら可能です!


Translator: Kawazu Kazuyo

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スペインの治療の世界、そしてFenexy へようこそ

From 05 April 2011 StemCells&AtomBombs: Welcome to the Spanish cure and Fenexy

~by Carles Alcolea~

私たちが幼いころから学校では、病気を治してくれるのは科学者と呼ばれる試験管と持った白衣の紳士であると教えられています。私たちはいつも彼らに対して、彼らにしか理解できない実験の数々を実施するための無限の素材を備えた研究室でいっぱいの巨大な建物の中にいる乱れ髪のマッド・サイエンティストのイメージを持っていました。

しかし、これほど真実からかけ離れたイメージはないでしょう。では、実際に科学とはどのようにして形をなしているのでしょうか?そして、どのようにしては病気の治癒は発見されるのでしょうか?

現実はイメージとは違い、実際の科学者は家族を持ち、ローンや悩みを抱えた、血と肉でできた普通の人です。一般的に科学者は彼ら個人の情熱に動かされた結果として研究に打ち込むことを決意した人たちで、多くの場合その研究から収入を得ることはありません。彼らは教師として働くか、奨学金からの収入で生活しています。

それでも、本来であれば更なる進展へ向けた研究に費やすことができた時間の何割かは、申請書の準備、奨学金の申請、仲間の募集、コスト削減努力などに消えていきます。

科学において物事が進むのが遅い理由がここにあります。
もし科学と社会の間に存在するギャップがここまで大きくなければどうなるでしょうか?

なんにせよ科学は社会の問題を解決するために用いられるからには、私たちの治癒を研究する人たちの仕事を助けない道理はないでしょう。あなたも明日には、現在見つかっていない治癒が必要になるかもしれないのです。

最近の発見によって、脊髄損傷治癒の分野は急速に進展しています。私たちはすでに以前は越えることができないと思われていた壁を越えたのです。脊髄損傷は今や治癒可能なのです。

しかし、脊髄損傷の治癒を支える科学は、資金、新しい意識を引き付ける誘因、人的および物的資源などの多くのものを必要とします。

科学者は、新しいアイデアを生み出すため、結果を比較するため、そしてお互いに協力しあうために頻繁に集まり、互いの進捗状況を話し合う必要があります。彼らは私たち全員の支援を必要としています。

これこそがFenexyが存在する理由です。
2010
11月設立

今、あなたは支援の手を差し伸べてくれますか?

Fenexyのウェブサイトはwww.fenexy.orgでご覧になれます。

FenexyFacebookページはwww.facebook.com/Fenexyです。

Fenexyには、運営、宣伝、デザイン、翻訳など、あなたにできる支援がたくさんあります。まだまだ、こなすべき仕事がたくさんあります。

お問い合わせはinfo@fenexy.orgまでお願いいたします。

Translator: Ichinomiya Wataru

Q&A: リック・ハンセン基金

質問1
私の大事な質問でお答えください。

宛先: Art Reitmayer様(Rick Hansen Foundation (RHF) CEO

Cc.
Rick Hansen様、Lyall Knott様(RHF理事会共同議長)
Jim Watson様(RHF理事会書記)
George Gaffney様(RHF理事会会計担当)

RHF理事会
Matthew Bosrock
Sally Douglas
Perry Goldsmith
Amanda Hansen
Jonathan Kallner
Tod Leiweke
Sue Paish
Peter Ufford
Christine Day

Bill BarrableRick Hansen Institute CEO
Tom Oxland博士(ICORD暫定理事)

麻痺の治癒に向けたRickの素晴らしい取り組みが25周年を迎えるにあたり、この度のRick Hansen FoundationCEOへの就任を心よりお祝い申し上げます。もし25年前、Rickが麻痺の治癒は実現できると考えていたのであれば、RHFは最近の科学の進歩を鑑みればその治癒の実現は必然であると認識すべきです。
脊髄損傷(SCI)に関わる者として、私はこのような重要な時点において新たなCEOが誕生したことによって、RHFは麻痺への取り組みをより加速させることができると信じています。誰もが認識しているように、治癒はただ希望のみによって実現できるものではなく、その実現には大変な努力と根気、そして科学の助けを必要とします。
しかし、私にはRHFが脊髄損傷の治癒の追求における目標を見失っているように見えます。私がそのように考える根拠は、Rick Hansen InstituteICORD(おもにRHFによって設立および出資されている)のウェブサイトに投稿された情報にあります。その情報を見る限り、どちらの団体においても中枢神経系(CNS)再生は最重要事項として挙げられていません。
そこで、RHFCNS再生およびSCIの治癒のためにどの程度の予算を割いているのかを教えていただきたいと思います。
ケアや生活の質に関連する活動もSCIを抱える人たちのためには重要であることは分かります。しかし、手の届く範囲にある治癒も同様に重要であり、実際のところそれこそがまさにケア/生活の質の究極の形ではないでしょうか。
長文で失礼いたしました。お忙しいとは思いますが、近い内にお返事がいただければ幸いです。
Translator: Ichinomiya Wataru

回答1
Dennis

この度はお問い合わせいただきありがとうございます。

我々の業務についてより深くご理解いただければ幸いです。

リック・ハンセン基金(RHF)はより身近で包括的なコミュニティの形成および脊髄損傷(SCI)治癒の研究の促進を通じて、障害を持つ人の日常生活を改善するために尽力しております。

ご存じの通り、SCIの研究は非常に複雑なものです。

ケアの範囲(損傷を受けた時点からリハビリおよび回復)は広範であり、SCI患者の方が生産的市民として包括的かつ身近な社会で生活するためにはあらゆる段階において金銭的および実践的支援が必要となります。

1988年から、RHFは主要な研究補助金および慈善プログラムに対する資金投入によって、新たに損傷を受けた人の予後の改善を支援しながらSCI研究および生活の質プログラムへ2億ドルの予算を割いてきました。

当基金のSCI治癒へ向けた活動の1つとしてリック・ハンセン研究所の設立が挙げられます。 <http://www.rickhanseninstitute.org/> (RHI).

この独立した機関は治癒への進展の加速およびSCIおよび関連障害を有する人の生活の質の改善を専門とするカナダ全域にわたる共同プロジェクトです。

RHIは幹細胞研究の将来性のある分野における専門家の活動の支援を含め、SCIトランスレーショナルリサーチおよびベストプラクティスの採用に対して投資および支援を行っています。

RHISCIを持つ人の日常生活の質を向上させるための活動も行っているため、短期的な観点ではSCIに伴う二次性合併症の重症度の改善に焦点を当てています。

脊髄損傷による麻痺のない世界の実現を後押するため、RHIは志を同じくする個人および団体の世界的なネットワークを活用しながら、できうる限りの努力を続けています。

相対的な規模および活動範囲と世界の基礎・一次研究分野における他の組織による活動を考え、RHIは発見およびベストプラクティスをSCIを持つ人の利用および生活の質の改善へトランスレーションする活動に重点を置いています。

この情報でリック・ハンセン基金およびリック・ハンセン研究所の活動についてより明確にご理解いただければ幸いです。

加えて、私たちは世界各地の組織によって構成された大規模なコミュニティ内に、障害を持つ人の生活の質の改善を専門とする部門も作っています。

私たちの長期的な目標はSCIによる麻痺の治癒の実現であり、SCI研究の分野の発展においてその目標の実現へ向けた努力を続けています。

デニス様および興味がおありの方は以下の私たちのサイト
www.rickhansen.com および www.rickhanseninstitute.org をご覧になっていただければ、私たちが共通の目的に向かってどのように協力し合っているのかをご理解いただけると思います。     
それでは、今後ともどうぞよろしくお願いたします。

リック・ハンセン基金、リック・ハンセン研究所
Translator: Ichinomiya Wataru

質問2
宛先:アート・レイトマイヤー氏 リック・ハンセン財団CEO
案件:回答願います

本文:リック・ハンセン財団の寄せられた基金に対して、脊髄損傷治癒へ使われた基金の割合に関する質問におきまして、現時点でまだ回答を頂いておりません。受信されていない場合もありますので、念の為上記質問をお送りいたします。よろしくお願いいたします。
Translator: Kawazu Kazuyo

回答2
親愛なるデニスさん、

リック・ハンセンが、熱意、決意と夢を持って、脊髄損傷治癒(SCI)の治癒追及と、アクセスしやすい社会を作るため、障害者が持つ可能性を一般の人々へ伝える啓蒙活動を始めたのは今から25年前になります。1985年、この2つの大きな夢を叶えるべく、リックが「マン・イン・モーション(Man in Motion)」ツアーを皮切り、総距離40万キロのべ34カ国を廻り、終了までに2年を要する旅をしました。リックの夢に感銘を受けた多くの人々の寛大な気持ちは、2600万ドルの寄付金という結果となってあらわれました。リック・ハンセン財団(RHF)の設立と活動は、今日2億4500万ドルにも上る寄付金により支えられており、リックの当初からの夢である治癒追求への支援とアクセスしやすい、包括的な社会を創造するために活動を続けています。設立開始より、RHFが集めた寄付金の81%が研究費補助やチャリティ活動を通じて、SCI治癒研究や人生の質向上プログラムへ送られています。

RHFは長年に渡り、何百万ドルもの寄付金を、特別奨学金制度、科学リーダーシッププログラム、補助金、インフラ設備投資、学生奨学金などを通して基本的な科学研究へ援助してきました。今日RFHSCIのリサーチコミュニティが一丸となって、リック・ハンセン財団を通じ、新しい急性、慢性傷害を持つ人々にフォーカスする為の補助、資金提供などをコラボレーションモデルを中心に行っています。RHIはグローバル臨床試験ネットワークを設け、世界で70SCI関連施設を結ぶ財団の戦略的イノベーションとなっています。これらの施設は、CNSなどの研究で発見した成果を使って、治癒に向かって成果を推進するためにSCIを持つ人々の為に、地球のどこからでもマルチ・センター臨床試験の実行を可能にしてくれるでしょう。

この情報が私達の回答を明確にし、私達の業務の特徴をご理解頂ける事とと信じます。更なる詳細は、当財団の公式サイトをご覧ください。


敬具
リック・ハンセン財団
Translator: Kawazu Kazuyo


質問3
2011年8月12日

案件:中枢神経機能再生に関する経費について

電子メイルにて

アート レイトメイヤー氏、CEO
リック ハンセン氏、共同会長、役員
リアル ノット氏、共同会長、役員
リックハンセン財団


親愛なる皆様、

まず始めに、先日お送りしました中枢神経機能再生(例:脊髄損傷治癒)への経費の詳細に関する私達の質問にお答え頂きまして深く感謝致します。どうもありがとうございました。頂いた回答は、実際の治癒への経費割合などが明確ではなかったため、当方が満足いく内容ではありませんでしたが、数字の明記がなかった最初の回答よりも遥かに情報を提供して下さっていると実感しました。

科学業界が脊髄損傷治癒の実現へと更に近づいている今、実際の研究に十分な資金が援助されているのかと危惧する脊髄損傷者が沢山いる事をお分かりいただけるかと思います。そのことこそ、私たちが貴財団の皆様方とお話させて頂きたい内容なのです。

これに関しまして、以下に署名の私たちは、皆様方とスカイプを使った電話会議を、8月中または9月第1週の間で皆様のご都合の良い日の午前10時(バンクーバー時間)に開きたいと思います。

話し合いたい内容:
1.先のメイルにて回答頂いた、寄付金の81%の数字は再生治癒研究と人生の質向上プログラムへどのように割り当てられていますか
2.CNS再生研究に関して、現在援助しているプロジェクトはどういったものですか?また過去10年間に援助をした研究はなんでしょうか?
3.援助プロセスはどのようになっていますか?例えば、援助プロセスへの申請方法など
4.私達のような国際的コミュニティがどのように貴財団を支援する事ができるでしょうか?またはRHFの活動に参加する事ができますか?

貴財団は、脊髄損傷治癒への支援団体の中でももっとも大きく、財源が充実した、国際的にも広く認められている団体です。私達はこの同じ目標を達成する為に、貴財団になんらかの協力が出来ることを期待しております。

お手数ですが、会議の開催日に関するご回答を8月19日5PM(バンクーバー時間)までにいただけますよう、よろしくご検討ください。

敬具

署名付で、

カール・アルコレア     
パオロ・チポッラ
アルカンジェラ・ステファネッティ     
デニス・テソラット     
バーブ・シュコラ
Translator: Kawazu Kazuyo


回答3
2011/08/18

Re: 話し合いの場を持たせていただきたいです

Carles様、Paolo様、Arcangela様、Dennis様、Barb

私たちの置かれている状況をより明確にご理解いただきたく、お問い合わせいただいた件についてお答えさせていただきます。

何度が説明させていただきましたように、リック・ハンセン基金の活動はリックが「Man In Motion World Tour」に出発した際に表明したビジョンを支えるものになっています。それは身近で包括的なコミュニティを作り、治癒に向けた研究を支援することで障害を持つ人の可能性に対する意識を向上させることです。

過去25年以上に渡って、リックと当基金はこれらの両分野において力強い発言と明確なビジョンを示してきました。

当基金は様々な団体を結びつけて共通の目標を作り、その目標を実現するための戦略および資源の開発のためにリーダーシップを発揮してきました。また、それらの構想を独立させることで、新しいアイデアが認識されて立ちあがるようにしてきました。

今後もこの活動は進展させていきますし、私たちが以前説明した分野への現行の投資も将来的にはSCIを持つ人にとって大きな成果をもたらすでしょう。

私たちが2010-2011会計年度に資金提供を行った計画および組織の一覧は、来週に私たちの改装したウェブサイトで閲覧可能になる年次報告書に含まれています。

年次報告書に含まれる情報およびT3010は政府、企業出資パートナー、大口献金者および一般に公開されます。

多くの慈善団体と同様に、資金提供の申請は委員会が検討した後、役員会に承認を求めます。
申請はカナダ歳入庁の慈善活動規定に基づく要件を満たした受給者からしか受け付けていません。

現在のところ、2012/03/31までの事業年度の資金は全て投入されており、2012年春に公開される2012会計年度報告書に反映されます。

今回頂いたご質問に十分にお答えできていれば幸いです。私たちに委ねられた資金の扱いに関しては完全な透明性と細心の注意を払っていく所存ですので、私たちが文面で提示できる情報に関しては全てwww.rickhansen.comで閲覧できるようにお約束いたします。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
Art Reitmayer
Translator: Ichinomiya Wataru

リック・ハンセン基金との話し合い
本メールはカナダ総督であるDavid Johnston氏に当てられたものです。Rick Hansen Relayの後援者である同氏であれば私たちがリック・ハンセン基金と話し合いの場を持つ手助けをしてくれるのではないかと考え、メールを送らせていただきました。

カナダのニューファウンドランドで824日にスタートしたRick Hansen Relayの後援者として、この挑戦におけるリック・ハンセン・チームの成功をお祈りいたします。

リック・ハンセン氏がカナダ政府の支援の下、身近な社会および生活の質に関する計画を通して麻痺を持つ人のために行ってきたことは非常に高く評価されています。

私もハンセン氏と同じく脊髄損傷による麻痺のない世界の実現を夢見ていますし、中枢神経系(CNS)再生の分野における進歩によってそれは実現されると考えています。

この目標について、多くの麻痺の治癒に関心のある人がリック・ハンセン基金にCNS再生への資金運用に関して問い合わせを行ってきましたが、未だ十分な返答を受け取っていません。

その問い合わせと返答の内容はhttp://bit.ly/nPCkr5でご覧いただけます。

その内容はメールでは返答することが難しいものであると考え、先日カナダ、イタリア、日本およびスペインの代表団体がメールで取り上げた問題に関して実際にお会いして話し合いたい旨をRHFに伝えました。

それに対し返事はいただけたもの、話し合いの場を持ちたいという要望に関しては無視されてしまいました。

カナダ総督およびRick Hansen Relayの後援者として麻痺の治癒の緊急性に関するRHFとの話し合いの場を持ちたいという私の希望、そしていかにカナダの私たちと世界のコミュニティがリック・ハンセンの目標の実現に向けて協調しあえるかということをお伝えいただけないでしょうか。
それでは、お返事をお待ちしております。
Translator: Ichinomiya Wataru


麻痺の治療への1、2クリック

再生医療推進法【2011年】
再生医療は、医薬品の発見および生産、そしてヘルスケアの提供のあり方を変える可能性を秘めています。それは、病気の潜在的な原因に焦点を当てて未だ手つかずの医療ニーズを満たすヘルスケアの新しいパラダイムを象徴しています。長い間未来の医療の概念として捉えられていましたが、その再生医療の具現化も今や手に届く範囲まで来ています。再生医療は、生物学、化学および物理学の基礎知識を材料、装置、システムおよび治癒戦略へとトランスレーションする、急速に発展している学際的な分野です。臓器や組織を増大、再建、交換または再生する細胞療法などもこれに含まれます。医学的視点および新たな国際的事業部門の創出という視点の両面において、再生医療は非常に高い可能性を秘めています一生に及ぶ病気にかかる費用とケアの負担を考えた場合、再生医療は将来の選択肢となり得るでしょう。
Unite2Fight Paralysisは再生医療推進法【2011年】をご支援いただければ幸いです。

再生医療推進法【2001年】(この法案の詳細はここをクリックしてください)という非常に重要な法案がアメリカ合衆国下院に提出され、現在は上院への提出も視野に入れています。思い出してください。再生医療は椅子から人々を解き放ち、もう一度自分の足で歩くことを可能にするのです!

そのためには、この法案に後援者を付け、提出できるようにしなければなりません。同法案にはすでに一人の後援者がいます。それは民主党のBarbara Boxer上院議員です。しかし、共和党の議員の後援者もいなければ、この法案は立ち行きません。


そのために、Unite2Fight Paralysis(麻痺の治癒の研究を専門とする草の根団体。詳しくは www.U2FP.org をご覧ください)は彼らが主催するWorking2Walk会議の一環として1018日にワシントンで対面でのロービイング会議を主催する予定です。


私たち全員がそこに駆けつけて彼らの活動を助けるということは不可能ですが、あなたも以下のメールを送ることでこの法案の後援に向けて共和党の上院議員を説得する支援をすることができます。アメリカ内外の人たちが、アメリカがこの非常に重要な問題(麻痺の治癒およびその他の多くの病気)においてリーダーシップを発揮することを期待しているということを知らしめましょう。

以下に挙げるアメリカ合衆国上院議員にメッセージを送ってください。

Mark Kirk氏(イリノイ)
Scott Brown氏(マサチューセッツ)
Susan Collins氏(メイン)
Olympia Snowe氏(メイン)


キャンペーンが終了しました


Translator: Ichinomiya Wataru

麻痺を治すメーデースピリット

まず最初にメーデーおめでとう!

メーデーを知らない人のために説明すると、この日は国際的に労働者の言動を祝う日です。

私達労働者の勝利を祝う日です。

私達がそこに集まり、見ているという力を忘れないように音を立てます。

さらに重要な事は、私達の戦いは続いているという事です。

メーデーは戦いに生まれました。
それはヘイマーケット大虐殺という、シカゴでの8時間労働へのストライク中のデモに警官が発砲した事件を記念しています。

メーデーは国際的な日です。
世界80カ国において国民の祝日であり、その他多くの国々で非公式的に祝われています。カナダや合衆国はメーデーを意図的に非政治的な日にするべく、別途「労働の日」を設けていますが、これら2国でさえメーデーが戻ってきているのです。

メーデーは段階的変化を待たない事を祝う日です。
帽子を手に持ち改善を乞うようにはならない事を祝う日です。

メーデーは人生を変える直接的行動のための日です。
そしてメーデーは麻痺治癒に戦う私達への重要なレッスンでもあります。

私達の戦いは世界的になっています。科学はどの1国のみで封じ込められるものではなく、治癒が明らかになれば、それは世界的に入手可能でなくてはなりません。

医者、科学者や大手医薬会社が私達を治癒するまで待つ必要はありません。私達自身が積極的に治癒の為に、治癒への道を妨げる障害物や人に対して戦わなければなりません。

戦うという言葉ばかり使う私に非難の声が来る前に申し上げておきますが、私は同意語辞典を持っていないわけではなく、故意でこの言葉を使っています。反奴隷制の十字軍からの言葉を皆さんに託します。フレデリック・ダグラスは奴隷として生まれ、自由へと脱出し、彼の全人生を反奴隷制廃止を唱えてきました。

次回もし誰かが麻痺の治癒へは、じっと座って待っているというのが答えだと言う人がいたら、大声を上げずに次に挙げるフレデリック・ダグラスの言葉を言いましょう。

「もしこの世に戦いがなければ、成長はない。自由主義を公言しながら動乱を見下している人々は、田畑を耕さずに稲を欲しがる人間です。そういう人は雷や稲妻なしに、雨を欲しがります。そういう人は膨大な量の水なしに大海を欲しがります。この戦いとは、モラルにおける戦いかもしれません、もしくは物質的なものかもしれません、もしくはモラルと物質的の両方かもしれません、しかしながらそれは戦いには違いないのです。」

追伸:横に記載する国のリストはメーデーを祝う国ではありません。このリストは、英語、日本語、イタリア語、フランス語、ロシア語そしてスペイン語版の当ブログをアクセスしている国々です。麻痺治癒はまさに世界的尽力によります。


Translator: Kawazu Kazuyo

日本の生産管理を使ってSCI治療に一役


From 27 March 2011 StemCells&AtomBombs: Seisan Kanri from Japan to help cure SCI


このところの人々の関心は、先ごろ日本を襲った危機的大地震ですが、今日は日本が直面する問題ではなく、脊髄損傷(SCI)治癒への日本発信のポジティブな事をお話しましょう。

昨年、研究面において興味深い発見についての発表がいくつかありました。まず最初は、奈良先端科学技術大学院大学からのレポートで、神経幹細胞を使ったSCIの動物実験に成功した事です。また慶応大学からは、iPS細胞人工多能性幹細胞を使ってサルを歩かせる事に成功したとても確信あるレポートです。

最近、東北大学(ここは震災で被害のあったエリアです)の出澤真理教授のある情報を読みました。教授の研究とは、脊髄細胞からの神経を再プログラムする事で、将来的に下部の脊髄損傷の治癒に使える可能性があると言われています。そして、私の家の近くにある大阪医科大学では、脊髄損傷治癒にOE細胞(OEG細胞)を使った臨床試験があるかもしれないという噂を聞きました。

でも、SCI治癒に関連することではありますが、今日私が焦点を当てたい内容はこれらではありません。

SCIコミュニティの人々は、私も含めて、少なからずこの研究に疑問を持っているのだと私は思います。私達からすれば、研究は継続してもらう必要があります、しかし、変換的作業(臨床試験を通じて、科学をSCI患者に繋げていく事)なしの研究では意味がありません。

私はSCIコミュニティで沢山の人々と一緒に活動しており、頻繁に変換的作業を伴うこの問題や解決策について話し合うことがあります。私達はまた他国の世界的財団などで、多額の寄付金を集めSCI治癒の必要性を啓蒙しているグループなどについても話しますが、こういったグループから臨床実験への発展などの情報は見られません。私達一般のSCI者が、このようなグループに対しどのようにして私達のメッセージを伝えたらいいのでしょうか。

先日、治癒へと戦う私の同朋の一人から電子メイルを頂きました。私の労組活動を知っている彼のメイルはこう書いてありました。
私達にはここで交渉する事など何もありません。労働が保留にできるからといって私達がSCIを保留にする事はできません。」

これを読んで、私は左に書いてある言葉を思い出しました。ローマ字読みではセイサンカンリ英語では、プロダクション・コントロールと言います。これが日本の戦後のとても悲惨な状況の中で、日本の労働組合が対応してきた事です。

日本は最悪な状況から自身を引き上げる歴史を持っています。日本が他の困難を乗り越えたように、今後この地震から立派に復興できると私は確信しています。この震災で受けた被害は、第二次大戦によってこうむった被害と少なからず比較されています。そして戦後悲惨な状況から日本を引き上げた出来事の一つは、労働組合の存在です。

戦前、かつて日本政府の軍事的重圧を受けていた労働組合は、この政権が敗北したとたんどこからともなく現れ、機能し始めました。しかし、彼らは私の友達が電子メイルに書いていた事と全く同様の問題に直面しました。職場を持つ資本によってストライキが起こる業界で、工場や職場が開いてもいない時どうやってストライキができるでしょうか?
その上、雇用者はこの多くの人が職さえも持っていない状況の中、ストライキを回避するためにいつ職場閉鎖をちらつかせるのでしょうか?わかりますか、彼らは交渉するものすらもなかったのです。

こういった状況の中、日本人労働者は「生産管理」または「プロダクション・コントロール」という新しいタイプのストライキを導入しました。彼らはアメリカがその10年前にやっていたような、座り込みで工場を占拠するようなことはしませんでした。彼らは上司を追い出し、自分たちで操業したのです。彼らの交渉力は、こういうところから来ています「工場と利益を取り戻したかったら、私たちの要求を呑みなさい」

これが20万人の日本人労働者が、194512月から最高裁によって非合法化(きっとあまりにもうまくいったからでしょう)される1946年秋までの間にやってきたことです。この手法が成功した後、労働者達は昔やっていた通りには戻りませんでした。雇用と解雇上経営協議会と組合の拒否権での労働から、対等な参加権を付与する条項を含む労働協定の8割がこの闘争の中(そしてさらに古典的なストライキで)で獲得しました。

現在、SCIコミュニティの私たちが必要なのは、どのようにしてこのとても重要な教訓を私たちの戦いに当てはめていくかと考えることです。どうしたら私たちはサイドラインでの治癒への戦いから、彼らが治癒のために本当に活動できるようにメインストリームの組織へとシフトしていくことができるでしょうか。へりくだるのではなく、もっと声を出して力強く行きましょう。治癒の「生産」を管理するために。

もし、戦時中の荒廃した国で、組合活動のために刑務所に入った新鮮な記憶がありながら労働者が勝ち取ったなら、私たちにだってできるはずです。これは脊髄損傷治癒を勝ち取るための日本からの新しい貢献です。

Translator: Kawazu Kazuyo

マンハッタン・アポロ計画が麻痺を治す時



From 08 May 2011 StemCells&AtomBombs: Time for a Manhattan/Apollo Project to cure paralysis




「私は、今後10年以内に人間を月に着陸させ、
安全に地球に帰還させるという目標
の達成に我が国の国民が取り組むべき
であると考えている。この時代の宇宙長
距離探査の分野で、人類にとってこれ以
上に素晴らしく、これ以上に重要な宇宙
計画はないだろう。またこれ以上に
遂行が困難で費用のかかる計画もないだろ う。」
ジョン・F・ケネディ大統領 1961525
10年以内に人類を月面に到達させるというケネディの宣言から50年を迎えるに当たって、私は少し前からこの記事を書くことを考えていました。初めはケネディが宣言を行った525日に記事を書こうかと思っていたのですが、つい最近私が所属しているあるフォーラムで良い質問があったので、当ブログでその質問に回答することにしました。

端的に言って、その質問は「あなたはいつ麻痺を治癒するつもりですか?」というものでした。

これは良い質問です。というのも、私はここ5年から10年の間に麻痺の治癒は実現可能だと考えているからです。ただし、それは私一人でやるのではなく、私たちが力を合わせてい実現させる必要があります。

1961年にジョン・F・ケネディは、アメリカは10年以内に月面に人類を立たせると宣言し、善し悪しは別として1969年に人類は月面に立ちました。


フランクリン・デラーノ・ルーズベルトは原子爆弾を作ることを決意し、数年後には広島と長崎を恐怖のどん底に陥れました。

ルーズベルトやケネディは科学者だったのか?違います。彼らは科学が将来的に為すものを宣言した指導者です。彼らは机に向かい科学を研究したわけではなく(決してそのようにすべきではないと言っているのではない)、彼らは科学の為しうるものを国家的な重要事項に仕立て、科学者にその実現を一任したのです。私は決してそのような目標を達成するための科学的試みが元々無かったと言うつもりはありませんが、影響力を持つ世界的指導者がそのような計画を支援しなければ、その実現を見ることはなかったでしょう。

指導者は科学者を結束させ、期限を課し、仕事には報酬を惜しみなく出し、必要とする資源を全て与えました。

彼らは、利益や栄光を目的に独立した仕事をさせるため民間企業や大学に資金提供したわけではありません。ルーズベルトは唯一の科学者であったEszilardが特許に関して文句を言ってきた際、彼を解雇し、彼が特許を妥当な価格で売るまでチームに戻さないという対応を取りました。銃を男の頭に突きつけ、「断ることができない申し出」への答えを求めるドン・コルレオーネを想像してもらえば良いでしょう。

ルーズベルトは資金や認知を得るため、オッペンハイマーを原子力で駆動する車椅子で世界を周らせはしませんでした。ケネディもアポロ計画の宇宙船に必要な資金を集めるために、同計画の科学者にロケットのコスチュームを着せて投資家や資金提供者に向けて歌やダンスを披露させるようなことはありませんでした。ルーズベルトとケネディが行ったことは、資金を気にしつつ、科学者に納期を意識させた上で協力して重要な仕事を完遂させることです。

もちろん否定論者もいたし、科学者でさえそんなことは不可能だと言っていた人もいましたが、実際に実現しました。それが実現されたのは指導者が宣言したからです。

現段階における麻痺治癒の科学的研究のレベルは、マンハッタン計画およびアポロ計画始動以前の同計画に関連する研究のレベルよりは遥かに高い水準にあります。

現在の脊髄再生を専門とする科学者には、脊髄損傷の治癒は「実現可能かどうか」ではなく「いつ実現できるか」という問題だと明確に述べている人もいます。

そのため、私は麻痺の治癒が実現する「時」はそれが国家的(国際的)重要事項となってから5年から10年の内だと考えています。

それが国家的重要事項となるかどうかは、私、あなた、そして麻痺の治癒を望む人たちにかかっています。

最初にそれをやるのがどの国かはどうでも良く、とにかくこの問題には国際的見地から取り組むのが肝要です。

みなさんがどのようなものが脊髄損傷による麻痺の治癒の障害となっているかを知りたいので、以下の短いアンケートにお答えいただければ幸いです。


Tranlsator: Ichinomiya Wataru

ちょっとぐらい変人になっても誰も死にませんよ


From 03 July 2011 StemCells&AtomBombs: Being a little nuts never killed no one


先日、私は建築家の方に眉をひそめさせてしまいました。話が終わった時、彼は私の事をすこしおかしな人間だと思ったようです。
建築家?そうです。
ファイル:Senbayashi.jpg
千林商店街
約一年間あれこれ悩んだ結果、私は自身の第二の故郷である大阪のマイホームに留まることを決めたのです。大阪は素晴らしい場所です。もしそうでなければ、私もそこに過去17年間住み続けることはなかったでしょう。私は大阪の千林付近に住んでいて、あらゆるものが手の届く範囲内にあります。飲み物も食べ物、すぐに手に入ります。地下鉄が五分で行ける位置にあり、15分もあれば電車に乗れます。雨が降っている時でもアーケード付きの商店街(右の写真参照)を通れば、濡れることもありません。
私の家のどこが素晴らしいかというと理由は単純で、まずそれが私自身の家であることと密集市街地の真ん中にあるわりには家の中も外も広々としていることです。比較的広い私道(他人の車に邪魔されない)があり、家の後ろ側にはある程度スペースもあります(これはこの辺では珍しいです)。私はそのスペースでトマトやピーマンを育てたり、日曜大工をしたりしていました。暑い大阪の夏には、家に帰るなり裏に回って、冷たいビールを開けてトマトの成長を見たり、何時間も木にサンドペーパーをかけたりしたものです。私の家の唯一の問題は、それが三階建で風呂が三階にあることで、どうするか考える必要がありました。

私が麻痺になった後にはいくつかの選択肢がありました。1つはこの家を売り(麻痺になった当時はまだその家を建ててから約1年半しかたっていませんでした。)、完全なバリアフリーの二階建ての家を建てることでした。ただそれは麻痺前提の人生への準備をするようなやり方だったので、私はその選択肢は選びませんでした。

他には、土地が安く、私の故郷でもあるオンタリオ州のウッドストックに戻り、車椅子使用者にも完全バリアフリーのバンガローを建てるという選択肢がありました。自分の家族や友人の近くに戻り住みたいという願望はありましたが、この選択肢も車椅子前提の人生への準備であることには変わりありませんでした。そのため、私はこの選択肢も却下しました。

そこで、私は自分の家を少し改築するという選択肢を取りました。家の裏のスペースに増築することを決めたのです。そこに寝室(ベッドを他人の視界に入らない場所に置けるように)、大きなトイレ、そしてシャワーエリアを作ります。これによって、一階は完全に生活可能な空間になります。

マイホーム露天風呂
私が却下した他の選択肢も建築家の方が眉をひそめるようなものでした。私が玄関のドアを開けることができるようにセメントの傾斜を作ることについて話していました(今は車椅子用椅子を設置していて、玄関のドアとは別の引き戸を使うようになっています。)。私は建築家に私がまた歩けるようになった時にセメントの傾斜をどうすると思うか尋ねてみました。リフトなら撤去すれば良いだけですが、セメントとなると話は別です。歩けるようになればハンマーでその傾斜を粉々に砕くことはできるでしょうが、それはとても骨の折れる作業です。

20,0000かかる二階までの車椅子リフトについても話しましたが、なぜ私が全人生を車椅子で過ごすための準備をしようと思うのか尋ねると、また建築家の方は眉をひそめました。

セメントの傾斜と車椅子リフトの話ではなく、私が最後にした質問で建築家の方は変人を相手にしていると確信したようです。私は彼が傾斜とリフトについて話しているところを遮って一番重要な質問をしました。私は彼に、将来新たに増築した部分から屋根を取って、露天風呂を作るのはどれぐらい難しいか訊きました。彼はなぜそんなことをするのか尋ね返してきたので、私は歩けるようになったら増築した寝室は必要なくなるのでそこを露天風呂にできれば素敵だろうと答えました。

彼は私がまた歩けるようになる可能性について懐疑的でしたが、普通とは違い、彼は二度と歩けないと考えるのではなく、また歩ける可能性はある(常軌を逸してはいるが)と考えてくれたようです。

今では私のこと変人だと思っていない人はわずかしかいません。その内の二人は私の息子たちです。彼らは私がまた歩けるようになったらまず初めに何をするのか聞いてきます。すると、私は家にある椅子を全部三階に持って行って、それをセメントの私道に落とし、その椅子が壊れるのを見て狂人のように笑うつもりだよと答えます。

彼らは眉をひそめることも、私を変人だと言うこともありません。彼らはただ1つ質問をしてくるだけです。「パパ、椅子がなくなっちゃったらどうやって宿題すればいいの?」

私はこう答えます「立ってやりなさい。もっと足の長い机を作ってあげるから。」

Translator: Ichinomiya Wataru